アメリカの教育方針によって気付かされたテストの点よりも大事な事

娘がこちらロサンゼルスのミドルスクール( 現地公立校 )に行き始めて、もうすぐ1Semester( 学期 )が終わろうとしています。

そもそもアメリカの教育方針も知らないまま入り、知らないまま過ごし、よくよく考えると、親として知らない事だらけでした。

現地ママさんへの聞き取りや自分の調べたことをもとに、とても印象深かったものを、こちらでシェアしていきたいと思います。

娘のテスト結果が驚くべき結果だった

娘は英語学習歴2年。今年で3年目に突入しています。

自分の伝えたいことは伝えられるようになっても、英語においてはまだまだ現地の子には程遠い状態。ESL( English Second Language )クラスに入ってます。

とはいえ、Science では現地の子と同じクラスにいるため、専門的な新しい用語に加えて知らない文法、知らない単語が重なり、理解する事に困難を極めています。このたびのScience のテストでは一番下のランクの成績でした。親はその成績をアプリで確認する事ができます。

親としてまず考えた事

  • まずは問題点を明確にし、そこを補填する。
  • 先生と面談し、これからどのような家庭学習を行なっていけば良いのかを相談する。

私はこの時、彼女の点数を上げる事だけにフォーカスし過ぎていて、こちらアメリカではどういった教育方針を基に何が行われ、どのような評価がされるのかを知りもしませんでした。

日米の教育の違いを知る

最近は多少変化しつつあり、学校によっても違いがありますが、

日本での典型的な授業は「 先生が教え、子供は静かにしっかりと聞く 」という受身的な学びが中心であることです。

一方、アメリカは「 先生はサポーターで、子供同士で学び合う 」という子供の主体的な学びが中心であることです。

それを踏まえて考えると

アメリカの授業ではそれぞれの子供が持つ異なった考え方を、互いに共有するという「 子供同士での学び合い 」が、より大きな意味を持ちます。

さらにディスカッションを通して、自分だけでは思いつかないような考え方を知り、それについてまたみんなで考えます。

それってアメリカの「 民主主義 」の根幹ね。
すごく大事なことじゃない?合理的だし。
でもいいことばかりではないの。

一見すると理にかなっていて、とても合理的な教育方針だな…とも思ったのですが、それによりクラスのまとまりが取れなくなることもしばしばで、みんなが一斉に発言を始めて、授業がままならない…などと、日本では考えられない事態が起こり得ます。

授業をちゃんと受けたい生徒からすると、なかなか進まない授業に困ることもあるといいます。

そこで、アメリカでの ” 評価の基準 ” が関わってくるのです。

アメリカでの成績評価

成績のつけ方は学区によって異なりますが、一般的な評価についてご紹介したいと思います。

アメリカは目標に対する ” 達成の度合い ” でみる評価( 絶対評価 )です。

娘のミドルスクールでは

  • テスト
  • パーティシペーション( 活発に授業に参加しているか )
  • アテンダンス( 出席率 )
  • ホームワーク( 宿題提出 )
  • プロジェクト

これらの項目を踏まえての総合評価になります。( 科目によりその比率は異なります。)

テストだけいい点を取ればいい、というわけではなくなります。

逆にテストで悪い点数を取っても、他で挽回するチャンスはまだあるという事になります。

その結果に対して、自分がどうしたいのか、自分がどのように行動するのかが大事になってきます。

パーティシペーションに重きが置かれているのは先程述べたように、子供たちが主体的に学び合うという教育方針に基づいています。騒がしくなりがちなクラスでの授業態度も、大事な評価のポイントのひとつだという事です。

自立への第一歩がミドルスクール

アメリカの伝統的な教育の考え方に ” 16歳で自立する ” というものがあります。その自立に向けたトレーニングがミドルスクールから始まります。

「 自分で考えて行動し、その行動に責任を持つ 」という環境に突然放り込まれるわけです。ミドルスクールに上がったばかりの子供たちは、自己管理ができずに成績や生活が崩れてくる傾向にあるようです。

自分自身が経験して初めてそれを理解し、その後どうするかを考え、行動に移す。社会に出ると一番大事なことのように思います。それをミドルスクールからトレーニングするというこの方針は、とても素晴らしいものではないでしょうか。

親として今出来る事

これらを踏まえて考えてみました。私が娘のScienceのテスト結果を受け、今親として出来ることは、

娘にどうしたいかを確認し、それにはどのような方法があるのかを一緒に考え、あとは娘が行動を起こす。そしてその結果を見守り、いつでも受け止め、修正が必要な時にはアドバイスする事。

そこに辿り着きました。

アメリカの教育方針も知らずに自らの経験を用いて、点数だけにフォーカスしていた以前の私だったら、きっと直接先生に会いに行き、解決策を聞き、それを娘に押し付けるようなことをしていたかもしれません。

それでは娘の考える力も行動する力も成長することができない上に、自立の機会まで奪ってしまいます。

今のテストの点ばかりを気にするのではなく、子供がどうしたいのか、そのために子供自身がどのような行動をするのかが大事だという事を、アメリカの教育方針を知る事によって気付かされました。

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