みなさんが子供の頃に使っていた貯金箱といえば何ですか? 豚の貯金箱やポストの貯金箱、缶の貯金箱もありましたね〜。500円玉専用で「●万円貯まるBANK」は1度は使ったことがあるはず?!
ところで、アメリカの子供達が使っている貯金箱を知っていますか?
その名も ” ピギーちゃん ”
何とも可愛らしい名前(笑)そのピギーちゃんですが、私は初めてピギーちゃんを見た時、貯金箱の概念を打ち砕かれました…。
ピギーちゃんは単なる豚の貯金箱ではないんです。
今日はそんなピギーちゃんにフォーカス!子供へのマネー教育の必要性とともに考えてみたいと思います。
MONEY SAVVY PIG ピギーちゃんの貯金箱
ピギーちゃんの体は4部構成になっています。それぞれにお金の投入口があり、
- SPEND(つかう・消費)
- SAVE(ためる・貯蓄)
- DONATE(ゆずる・寄付)
- INVEST(ふやす・投資)
に分かれています。入れたお金は足から取り出せるようになっています。
子供達は4つのお金の使い方を学ぶことで、世界のお金の流れや仕組みを考えることができるのです。
アメリカ人女性バンカーによる開発
ピギーちゃんはスーザン・ビーチャムが、子供へのマネー教育のために開発した貯金箱です。
元バンカーの彼女は自身の仕事を通し、子供へのマネー教育の必要性を打ち出しました。夫とともに創業したマネー教育に関する事業は、アメリカのみならず、世界中で採用されているカリキュラムとなりました。
「子どもの時にほんの少しの時間でも基礎的なマネー教育をしておくと、その子は人生を通じてお金の管理が上手にできるようになるものです。しかし、マネー教育は目的に至るための手段です。目的とするところは自立した成功に満ちた人生です。」スーザン・ビーチャム
Money Savvy Generation
ピギーちゃんの4つの穴
このピギーちゃん貯金箱にはお金の投入口が4つあります。それぞれの目的によって、お金の「使い方」を考えてから入れます。
SPEND(つかう・消費)
日本では馴染みのある穴です。今欲しいもの、近々使う予定のお金を入れます。
” 今の自分の喜び ” に特化した穴と言えます。
SAVE(ためる・貯蓄)
こちらも日本で馴染みのある穴ですね。欲しいものを我慢して、少し先に大きなものを得るためのお金を入れます。
” 少し先の自分の喜び ” に特化した穴とも言えますね。
DONATE(ゆずる・寄付)
これは日本ではなかなか馴染みのない穴です。困った人を助けたり、みんなのために使うお金を入れます。
” 人の喜びが自分の喜び ” となる穴です。
INVEST(ふやす・投資)
これは残念ながら日本ではあまり良い印象がない穴です。今使っていないお金を必要とする企業に活用してもらい、社会の豊かさを生むために使うお金を入れます。その企業が成長すると、収益の一部がリターンされます。
” 人の喜びがお金でリターン ” となる穴ですね。
子供達が日本で使っている貯金箱に、「寄付」と「投資」の項目があるものを見たことがありません。お小遣い帳に至ってもそうです。
文化的な背景も大いに関係してきますが、欧米で生活してみると「寄付」が身近にあり、当たり前であることに、日本育ちの私は驚くばかりです。
アメリカと日本のマネー教育の違い
アメリカでは「金融リテラシー教育委員会 Financial Literacy and Education Commission」という機関が設置されており、投資教育を子供の頃から行うことで、金融リテラシーを身につけさせます。
お金の使い方は、子供の頃に養われると言われており、投資は年数を重ねるほど有利に働きます。したがって子供の頃からの投資教育は比較的効果が高いというわけです。
一方、日本はどうでしょうか。英語やプログラミングに力を入れ出す中、金融リテラシーに関しては学校で学ぶ機会など、ほとんどないのが現状です。
お金の話はタブーとされ、「株や投資はギャンブルの一種」という認識がまだまだ根強く残っています。
金融庁のアンケート調査では「金融や投資の教育を受けた機会がない人」が約7割にものぼり、そのうちの3分の2が「金融や投資の知識を身に付けたいと思わない」と回答する驚きの結果が出ています。
家庭で今すぐ始めたい「マネー教育」
金融リテラシーは子供の頃から培っておくに越したことはありません。
教育と言うと、どうしても「学校での教育」と思いがちですが、日本の現状では「マネー教育」に関して、学校に任せておくことはできません。
まずは生活の現場である家庭で実践させることから始めてはどうでしょうか?
小・中学生…お金の計画を立てる
お小遣いをどうやって運用していくかを考えることです。計画的に運用できるようになることは、資産形成のマインドへ繋がる一歩になります。ピギーちゃんを参考に、お小遣いを4つの項目に分けて計画してみるところから始めてはどうでしょうか。
アメリカではモノポリーなどのゲームも活用されています。モノポリーのルールを理解することは、資産運用のノウハウとなります。
アメリカのレモネードスタンド文化をご存知でしょうか?子供達がレモネードを作り、庭先で売ります。仕入れから販売まで全て子供達で行います。幼少期から ” 稼ぐ体験を通してお金のことを考える ” という土壌がそこにはあります。
高校生…アルバイトやインターネットを活用してお金を得る
お小遣いをもらう立場から、労働の対価としてお金を得るようになります。
インターネットが普及した今、その可能性は無限大です。フリマアプリやオークションサイトの活用でお金とモノの関係を学んだり、クラウドファウンディングを活用し起業する高校生もいます。
まずは親の私たちが金融リテラシーについて学び、実践と経験を踏まえて子供に伝えていくことが必要となってきているように思います。
” 実践しない者は取り残されていく ” そんな時代になって来たと言っても過言ではありません。