2017年の夏、我が家は海外赴任のためイギリスへ引っ越しました。娘は当時9歳。小学3年生の1学期まで日本の公立小学校へ通っていました。
渡英前、英会話等には通っておらず、英語に関してはアルファベットが認識できるくらいのレベルでした。
そんな娘がイギリスでどうやって友達を作っていったのか…今日はその
”独特な友達の作り方”
を綴りたいと思います。( ※あくまでも我が娘の場合ですが、少しでも参考になれば嬉しいです。)
独特な友達の作り方とは?
ズバリ
特技を持って相手に近づいていく
です。
一見、コミュニケーションスキルとも言えるこの方法。全く言葉のわからない9歳の娘が考え出した彼女なりの方法なのです。具体的にはどんな方法なのでしょうか。
芸は身を助ける?
娘は5歳から体操をやっていました。彼女の特技は バク転 。その特技を使い、英語も喋れない娘がどんどん友達を作っていくのです。
小学生くらいの子って芝生やグランドなど、広いところでよく回転してませんか?
イギリスの公園でも回転したり逆立ちしたりする子は多く見かけられました。
全く英語が話せない9歳の娘は、その子達の近くに寄っていき、同じように回転したり逆立ちしたりします。するとその子達も娘に興味を持ち、お互いの技を披露しあったりします。
そこですかさず彼女はバク転(笑)
拍手をくれたり、話しかけてくれたり、その辺にいた子が興味を持ってくれることに気が付きました。
渡英後初めて行った公園で
互いの技を披露し仲良くなった女の子。当然女の子は英語しか話せません。
娘は出かける時にいつもメモとペンを持ち歩き、英語が分からないとその場で書いてもらうようにしていました。娘はその女の子に書いてもらったメモを手に私のところに聞きに来ました。そこには
「Follow me!」
恥ずかしながら当時その単語もわからなかった私はGoogle翻訳にそのまま入れました。
「ついてきて!」
それを理解した娘はその女の子と追いかけっこを始めました。同年代の子と楽しそうに駆け回る娘。言葉は多く交わさずとも同じ時間を楽しんでいたその姿を今でも忘れません。
この公園での一件が、娘にとって ”英語でもっとコミュニケーションが取りたい” と思う第一歩へつながったのではないかな…と思います。
現地校のスタート
イギリスの公立小学校へ通い始めて何日か経った日、娘は帰ってくるなり
「今日は休み時間にずっとバク転してたの。」
と言いました。わけを聞くと、
側転してた子がいたから、その横でバク転したら、その子が友達を呼んできてもう一回やってみてっていうからやったら、その友達もまた友達を呼んできて、見せてっていうからやったら、またその友達が友達を呼んできて…
といった具合でどんどん人が増えていったと言いました。それから廊下やグランドですれ違うときにいろんな子に声をかけられるようになり、知らない間に友達ゼロ、英語ゼロの娘はお友達がどんどん増えていきました。
日本人ならではの武器も
娘の通っていた小学校には、学年で5〜6人の日本人の子がいました。ある男の子はいつも通学バッグにけん玉を忍ばせていてよく披露してくれました。ある女の子のバッグには折り紙が入っていて、お花や風船など難しいものもすぐ作ってくれました。
子供ならではの外交
スナックタイムという中休みのようなブレイクタイムに、スナックを食べる時間があります。りんごやバナナ、ポテトチップスの小袋など、小腹を満たすものを持っていきます。
日本の駄菓子はとても人気で、娘が持っていくと途端に友達が集まってきます。ポテトチップスはOKでも、駄菓子は持って行ってはダメなはず…しかし高学年にもなると自由にやっているようでした。イギリスのグミよりも明らかに日本の方が美味しい…のは現地の子にもわかるようです。
そこでトレードが始まります。少しの駄菓子で多くのものをゲットして帰る日もありました。(アレルギーの子もいるので基本的にはトレードは禁止です)
すみっこぐらしのような可愛いキャラクターものはイギリスの女の子にも人気で、ポケットティッシュやシールをいっぱい持っていっていました。
英語と共に立ち回り方を学ぶ
親を離れるとそこは子供の世界。心配のあまり、先回りして何かしてあげられることはないかと頭を悩ませましたが、そんなことはものともせずに、娘はたくましく過ごしてくれました。
もちろんいいことばかりではありません。英語で言われてることがわからない、英語で自分の思いを伝えられない、発音が変だと馬鹿にされるなど…辛く悔しい思いも経験してきました。その中で自分が ”どう立ち回るか” を彼女自身で学んでいった気がします。
好きなことや興味のあることなどの共通点を察知して、自分と合うんじゃないかな〜…と相手を見極める ”感” みたいなものは、引越しや海外赴任を繰り返したことで身についたものかもしれません。
もちろんその子の性格やキャラクターは大いに関わってくるとは思います。
娘の場合、体操という自分の自信となる武器を持っていたことと、お喋り好きなことがプラスに作用したようです。(娘が自信を持てるものを見つけるまで→後日ブログにて)
英語の話せない娘に友達ができたポイント
- 自分の武器となるものを持っていた
- 成功体験を積んだ
- 失敗を引きずらなかった
この3点が大きなポイントだったと思います。
・自分の武器となるものを持っていた
小さい頃からやっていた体操。できる人があまりいない ”バク転” ができる。
(その武器を手に入れるまでの時間や努力はかなり必要→後日ブログにて)
・成功体験を積んだ
バク転をすると人は反応してくれて、興味を持ってくれることがわかった。同じように体を動かすことが好きな子とすぐに打ち解けることができた。
・失敗を引きずらなかった
全てが好感触ではなく、中には相手にされないことも。しかし「相手の興味がなかっただけ」と相手の課題にし、自分を責めない。
考察
もちろん語学はできないよりできた方が便利です。コミュニケーションをとるにも迅速です。
全く英語が話せなかった娘が、自分にとって自信のある特技を持っていた結果、それ自体が繋がれる何かになり、語学を習得したいというモチベーションになっていくんだな…と娘を見ていて感じました。
自信を持つことは自己肯定感を高めます。
自己肯定感が高い子どもは、自分のことを大切に思い、周囲からも大事にされていると感じているため、失敗よりも成功を強く意識して前向きにチャレンジしたり、壁にぶつかっても立ち向かっていくことができます。また、人と積極的に関わり、他者や環境を受け入れ、良好な人間関係を築いていける傾向にあるのです。
自信のある子に育ってほしい。子どもの「自己肯定感」を高めるには?
そして今の娘にとっていろんな国の友達がいることが、何より彼女の自信と誇りになっています。もちろんバク転もですが ^^;
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