過去の偉人の名言には、今この時代を生きる私たちの心を、強く揺さぶるものが多くあります。
その中の一つ、
子供の運命は常にその母が創る
ナポレオン
偉大な人物の陰には必ず「良き母」がいる。ナポレオンの言葉は私たちにそうシンプルに教えてくれます。
そんな「母責任重大説」とも取れるこの言葉を聞いて、正直ハッとするママさんも少なくないはずです。
偉人の母はどんな風にして彼らを育てたのか、そこから学ぶ子育てのヒントを考えてみたいと思います。
手塚治虫の母、文子さんの言葉
「お母さんはあなたの漫画の、世界で第一号のファンになりました」
これは天才漫画家、手塚治虫さんの母・文子さんの言葉です。
授業中に漫画を描いていたため、学校から呼び出しを受けた文子さんは、治さんに対しそれを咎めず
「どんな漫画を描いていたのか見せてちょうだい」
と母自ら読み始めるのです。
世間一般の母親なら
「どうして授業中に漫画なんか描くの!」
と真面目に授業を聞くように叱るはずですが、文子さんは違いました。
「治ちゃん、この漫画はとてもおもしろい。お母さんはあなたの漫画の、世界で第一号のファンになりました。これからお母さんのために、おもしろい漫画をたくさん描いてください」
天才手塚治虫が誕生した瞬間です。
引用:淡々と生きる
その一言がなかったら、私達は手塚作品を見ることはなかったかもしれませんね。文子さんの絶対肯定の愛が治の才能を引き出しました。
さらに治が医者への道を目指していた大学時代、医学と漫画の両立に悩むようになります。相談された母文子さんはこう尋ねました。
「あなたは漫画と医者とどっちが好きなの?」
「漫画です。」と即答する治に母は
「じゃ、漫画家になりなさい。」とあっさり答えたそうです。
今とは違い、漫画家の社会的地位はまだ確立されていない時代。親としてこんなにも潔く医者を辞めさせられるでしょうか。
親の価値観ではなく、息子を信頼し、見守る。
「あなたがどちらを選ぼうが、私はずっとあなたの味方です。」
このスタンスが、信じられているという絶対的な安心感を生み、個性や才能を育んでいくのだと思います。
心配するよりも信頼しよう
親が子供を心配するのは極めて自然なことですが、心配が行き過ぎると負の効果をもたらしてしまうことを忘れてはいけません。
子供が新しいことをやる時に何と声をかけますか。
- 「できる?大丈夫?」
- 「うまくいかなかったらどうするの?」
- 「やめておいた方がいいんじゃない?」
心配のあまりこんな声かけしていませんか。
そうすると子供は
「失敗したらダメだ」「無理かもしれない」とネガティブな思考になってしまいがちです。
一方で
- 「きっとできるよ!大丈夫!」
- 「やってみないとわからないよ!」
- 「うまくいくと信じてるよ!」
このような声かけが子供をどれだけ前進させるでしょうか。
「心配する言葉」よりも「信頼する言葉」をかけられて育つ子供は、ポジティブ思考になります。
これらを踏まえると、” 親の働きかけ一つでポジティブ思考を育むことができる ” ということになりますね。
支配するよりも信頼しよう
支配という言葉は少し強めな印象ですが、子育てにおいて、親が支配していることは多くあると思います。
その代表的なのが
「宿題しなさい!」
これも一種の支配です。
支配は子供を思っての行動ではなく、” 今、親のこうあってほしい ” を満たすための命令です。
そうです、私達親は、子供に早く宿題をしてほしいんです!(切実)
しかし命令ばかり受けている子供は、自分で考えて行動することができなくなってしまいます。
- いつからやるのか
- 何をやるのか
計画を立て、子供自身で実行することが大切です。
そして一旦計画を立てたなら、口出しせずに、見守る。
いつまでゲームしてるの?もう決めた時間になってるよね?
でもそれは我慢!
自分で考えて行動する主体的な子供に育てるためにも、いちいち口出しをして行動を制限するのではなく、信頼して見守ることが重要です。
【↓合わせて読みたい↓】
子供を信頼することの大切さ
信頼とは、
未知の領域を未知のまま、詮索せずに受け入れること
まさに手塚治虫の母、文子さんが行ったこと。
医者という道ではなく、漫画家という未知の領域を ” 味方 ” という立場で見守った。
決して誰にでもできることではありません。だから手塚治虫という天才が生まれたんですけどね(笑)
信頼された子供はその才能を遺憾無く発揮できます。子供が伸びたい方向に伸びようとするのを、親に阻止する権利はあるでしょうか。
子育てとは、実は非常にシンプルなのかもしれません。
子供が伸びていきたい方向に伸ばしてやればいい。ただそれだけです。
とはいえ、それがいかに難しいか、子育て中の私達は身をもって知っています。
- 心配(ネガティブ)言葉から、信頼(ポジティブ)言葉へ
- 命令ではなく子供自身に考えさせよう
- いつでも味方でいてあげよう
- 子供の伸びたい方向に伸ばしてあげよう
まずは日常できそうなことを少しずつ実践してみてはどうでしょうか。
子供の運命は常にその母が創るのだから…